減資
商法376条は、次の項目を公告や催告書に記載しなければならないとあります。
1. 減少すべき資本の額
2. 株主への払い戻しに要すべき金額
3. 株式の消却に要すべき金額
4. 資本の欠損の補填に充てるべき金額
ではそれ以外の減資はもともと予定していないかというとそうではなく、
5. 減少した資本金をその他資本剰余金である「資本金減少差益」に計上する方法
がこれにあたりますが、これはもともとやってはいけないのではなく、公告や催告書に記載しなくてもいいということです。
これを踏まえて、今期生じた損失を臨時株主総会で決議した減資によって補填できるかというテーマで考えてみたいと思います。
まず前提として、欠損とは期中に生じているかどうかですが、商法施行規則92条において純資産額が資本金と準備金などの合計額を下回っていることをいいます。これは、株主総会の承認を得た段階で確定するということが前提で、当期の損失は臨時株主総会の段階ではまだ欠損とはいえません。
これを減資で補えるかということですが、まず
1.減資はでき、減少した資本金をその他資本剰余金である「資本金減少差益」に計上することができます。この段階では利益剰余金である当期の未確定赤字と相殺することはできません。
2. それではもう一度普通決議でその他資本剰余金である「資本金減少差益」を取り崩して当期の損失(未確定赤字)と相殺する事が出来るかですが、どうやらできないようです。
理由はまず、この赤字が前期から繰り越された欠損だとします。
欠損の補填をするには、欠損補填目的を明示した減資の臨時株主総会決議と債権者へ向けて公告や催告をしなければなりません。
それに比べてとりあえず面倒な手続きはせずその他資本剰余金である「資本金減少差益」に貯めておくやりかただと、その他資本剰余金は利益処分の減資となるし、損失処理のための取り崩しも出来るわけで、一見よさそうに思われますが、「いつでも普通決議で赤字の補填が出来る。」というのであれば、折角の欠損補填のルールがあってないものとなってしまいます。
ですから当期の損失は補填できないのではないかと思うのです。