大武健一郎さん(元国税庁長官)のコメント
元国税庁長官の大武健一郎さんのコメントです。税理士と企業と国との関係を明確に語っておられます。世の中には頭のいい人がいるもんです。僕も税理士をもっと研究しなければいけません。。。大いに活力を与えられました。
「電子申告と裏腹の関係にある複式簿記の定着化の問題があるからです。複式簿記は十五世紀にイタリアのルカ・パチョーリが生み、その後フランスのルイ十四世が商事王令として義務づけました。これによりヨーロッパ中に定着し、産業革命の裏の立て役者となりました。それまでエジプトでもメソポタミアでも中国でも、技術革命は起きていましたが、時の政権と共に滅びたのは、民間が産業を継承できなかったからです。ところがヨーロッパは複式簿記のおかげで産業が広く普及するという歴史を辿った。だからこそゲーテもその著書で「複式簿記が商人に与えてくれる利益は計り知れない。人間の精神が産んだ最高の発明の一つ」と指摘したのです。
特にこれからの日本は人口減少社会に向かい、まさに量から質の経営へ移らなければなりません。そのときに、一回の取引毎の損得を一目瞭然に把握する仕組みをもっと普及することにより、企業がさらに発展できるようになる。そのアドバイザーとしての税理士の役割は、日本では極めて大きいといえます。税理士の手助けによって企業の透明性が確保され、金融機関も安心して融資できるようになる。その結果として企業が儲かれば、税金を払ってもらえるようになる。そういう流れで考えるのが望ましいのです。
したがって、中身も審査せず機械的に申告書を送信するだけの代行業者が台頭するようでは、日本はダメになってしまう。」